着物という物

Posted on 日曜日, 8月 21st, 2011 at 1:45 PM

今年も安曇野薪能を鑑賞できた。

急に寒く雨も降る中、体育館の中の

能舞台の上は、それでも、幽玄と荘厳さに充ちていた。

それはきっとかなり、着物、のせいだ。

着物は民族衣装に分類されるだろう。

数々の民族衣装はどれも

人を立派に見せる。

しのほとんどが、ドレープをたっぷりとって

豪華な衣装としている。

しかし、着物文化には、ドレープはない。

能衣装を身につけているのを見て、つくづくそう思った。

恐らくはしっかりと糊で張りを持たせた、その着付けは

立体的で陰影はあるけれど、どこもしだれていない。

逆に、中に浮かんでいるのだ。

折り紙、、、そう、折り紙のようだ。

ふくらみも折り紙のふくらみと同じ。

もちろん、柔らかい女性の着物のように、

しなやかに着る衣装もあるけれど、

それでも帯はまるで動かず。

—-

昔、古着の着物を選ぶフランス人女性の帯選びと、着付けを手伝ったとき

私の帯結びをささっと直して、

「この方が、ドレープが出るでしょう。リボンにはドレープが必要」

と、言われてしまったことを思い出す。

その女性にはドレープの効いた帯結びが似合っていた。

——

日本の布は、浮かぶ布、空気をはらんでふくらむ布。

不思議な荘厳。

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